勉強中に眠気を感じながらも、ちょっと無理をしてそのまま勉強を続けてしまっている人もいると思います。
結論から言ってしまうと、仮眠を取って勉強したほうが成績上がったりと効果があります。
仮眠の効果、活用事例。よい仮眠の取り方についてお伝えいたします。
いつ仮眠を取るべきか
眠気を我慢するより、素直に寝た方が良いです。
眠気で集中できない時に勉強しても、内容が頭に入ってきません。
勉強中なら居眠り程度で済みますが、眠気は作業ミスの原因になっているため、危険を伴う行動時には眠気はあってはいけません。
人間には半日リズム(サーカセミディアンリズム)が存在し、午後に眠気が来るのはそのためです。
この眠気自体は昼食を取らなくても、発生します。
自然に来る、午後の眠気を取るために13時以降に仮眠を取ると効果的でしょう。
(起きてから8時間後に眠くなるので、人によって差あり)
短い仮眠であれば、夜の睡眠に悪影響は与えません。
夜もうひと踏ん張りな時は、無理しない程度に仮眠はありでしょう。
1時間を超える睡眠が、夜の睡眠に影響を与えます。
もし昼寝をするなら午後3時前までに済ませておきましょう。
仮眠の効果はどうなのか
昼間に取る仮眠は、夜の睡眠の3倍効果があるとされ。
NASAの睡眠研究によると仮眠によって、認知力は34%、注意力は54%上昇すると報告があります。
また従来の研究によると午後からくる眠気の抑制には短期間仮眠は有効とのこと。
健康づくりのための睡眠指針2014にも、寝不足の日翌日に来る午後の眠気解消に
午後早い時間から30分以内の短い昼寝が、眠気による作業効率の改善に効くと言われています。
他にも仮眠がもたらす効果は様々あります。
- 疲労回復
- 集中力の向上
- ストレス軽減
- 記憶力向上
- 創造力の向上
- 作業効率アップ
- 心臓疾患や認知症の予防
人間三大欲求に入っている睡眠だけあって、様々な効果が期待できます。
企業での仮眠活用例
三菱地所は2016年10月の健康経営宣言に伴い、食事・運動睡眠などの生活に欠かせない活動を整えることで、従業員のパフォーマンスを高める取り組みを進めていきました。
仮眠導入はその施策の一つ、睡眠のプロニューロスペースさんにアドバイスをいただき、本社移転のタイミングに合わせ2018年1月に仮眠制度を導入し、仮眠室を設けた。
三菱地所とニューロスペースの共同認証実験の事前調査で
90%以上の人が業務中に眠気・集中力の低下を感じ、眠気を感じる時間帯は13時~15時に集中しているのが分かった。
実験で前半2週間は仮眠なし、後半2週間を30分の仮眠ありで過ごした結果。
仮眠ありの方が集中スコアが5ポイント高かった。
アンケートでは
仮眠を取ることで作業の生産性が良くなった2/3以上。仮眠を継続したい80%
感想として
・会議中の眠気がなくなった
・夕方までやる気が持続するようになった
・眠気が改善され、思考が進む
と全体的に良い結果となった。
学校での仮眠事例
福岡県立明善高校ではお昼休みに「10分の昼寝」を設けた結果、東大合格者が2倍に増えたという。
昼寝を「午睡タイム」と名付け、生徒たちに昼寝を推奨し、クラシック音楽を流し昼寝をする・しないは本人たちの自由。
睡眠状態でいえば進学校の明善高校に通ってる生徒の睡眠時間平均は5時間45分と、7~8時間確保したい睡眠時間には届かない状態でした。
昼寝をするようになってから「センター試験の成績が上がった」「午後の集中力が上がった」「体調が良い」「部活の成績が上がった」と良いことづくめの結果に。
仮眠導入前と導入後の3年間で
導入前
東京大学 4名
京都大学 20名
大阪大学 12名
国公立大医学部 22名
九州大学 179名
導入後
東京大学 8名
京都大学 25名
大阪大学 21名
国公立大医学部 40名
九州大学 193名
明善高校のような成功例ばかりではなく、失敗している学校もある。
福岡県筑前町の夜須中では、全校一斉に午睡を取っていたみたいだが保護者から
「全員に強制するのは良くない」との声が上がり、別室での自由参加に
自由参加にしたところ参加者は徐々に減っていき、利用者が10人程度になったところ廃止してしまったようだ。
続けるなら昼寝をするハードルを極力下げる工夫と、有用性を生徒・保護者両方理解してもらう必要があります。
良い制度は勝手に根付くものではなく、無理なく続けられる仕組みあってこそ成り立ちます。
一番良い仮眠を取る方法
夜寝るときに睡眠環境を整えることで、睡眠の質は上がります。
仮眠を取るときも同じで、睡眠環境を整えてあげると効果的な仮眠が取れることが松下電工と広島国際大学の共同研究でわかっています。
作業能力や記憶テスト、覚醒感が睡眠環境を変えるとより効果的に機能するようです。
せっかく仮眠を取るなら、いい環境を作って効率的に寝た方が良いですね。
光を避ける
夜になると眠くなる理由のひとつに、夜中脳から分泌される「メラトニン」というホルモンがかかわっています。
メラトニンは光によって調整され、夜中暗くなるとメラトニンが増え眠気を誘います。
朝起床時に太陽光を浴びると、メラトニンが減りすっきり起きられます。
一方、夜中でも強い光を浴びてしまうと、体が昼間と勘違いしてしまい、メラトニンが分泌されず睡眠の質を下げる一つの要因になります。
仮眠時も光を減らすことで、スムーズに入眠しやすくなります。
音は無音かホワイトノイズを
静かな環境で仮眠を取りましょう。ただあまりに無音状態は不安な気持ちになり、寝つきが悪くなるようです。
人の声は眠りを邪魔するので、テレビや歌詞付きの音楽は避けておきましょう。
30~40デシベル位の静かなところで仮眠をするか(図書館内レベル)
風になびく木の葉の音のような自然音は、睡眠にも有効。
1/fゆらぎとよばれ癒しやリラックス効果があります。
寝るときの姿勢は仰向けがベスト、仮眠はうつ伏せ、横向けが良い
人間の理想的な寝方は立ってる姿勢そのままで寝る状態が良く、仰向けが一番自然に寝られます。
自宅でリクライニングチェアを使って寝れると、最高に疲れが取れます。
コールマン(Coleman) チェア インフィニティチェア
問題は気持ち良すぎて、気を付けないと寝すぎてしまうところ。
職場で寝る際にも、リクライニングチェアは現実的ではありません。
ささっと寝て起きるには机に突っ伏した、うつぶせ寝もしくは壁に寄りかかって横向けで寝ると良いでしょう。
睡眠の質は仰向けに勝てませんが、その分目覚めの軽さはうつ伏せ寝と横向けが勝ります。
自分の環境によって使い分けましょう。
温度・湿度
布団もなにもかけないで寝るときには、室温は29℃にしましょう。
湿度が高すぎると覚醒しやすくなるので、50%程度を目安に保ち。
お布団をかけたなら中は33度程度にすると快適です。
温度は高すぎても低すぎても、寝つきが悪くなってしまい、良い睡眠は得られにくくなってしまいます。
仮眠時間はどうしたら良いのか?
20分程度のごく短い時間でも、パフォーマンスは上がります。(The impact of a nap opportunity during the night shift on the performance and alertness of 12-h shift workers)
寝すぎてしまうと睡眠惰性(起きた時の強い眠気)が発生しやすいため、20分前後、長くても30分以内に仮眠は留めた方が良いです。厚生労働省が2014年に策定した「健康づくりのための睡眠指針」より
ただし勉強した内容を記憶の定着させるには、60分~90分の昼寝が効果的です。
勉強中の疲れを取る時に積極的に仮眠を取り入れて、昼寝はルーティンとして活用すると良いでしょう。
熟睡対策はどうしたら良いのか(仮眠で絶対に起きる方法)
先ほど言っているように仮眠時間を短くしても、起きた時の眠気(睡眠惰性)は大なり小なり発生してしまいます。
筆者はロングスリーパーかつ、低血圧で眠りと眠気には相当悩まされてきました。
スッキリ起きる方法を複数見合わることで、ようやく地獄の目覚めから解放されました。
寝起きが良い人は自分に合う方法を一つ、眠気が強い人は複数組み合わせて対策しましょう。
仮眠環境を整える
睡眠環境を良くしても、睡眠慣性を減らすことができます。
学校や職場では環境を作るにも限度があるでしょうが、効率を考えるならなるべく良くしてあげましょう。
あえて悪い姿勢で眠りにつく
机に突っ伏してうつぶせ寝したり、椅子に座ったまま壁にもたれかかって寝ると
首にある交感神経節が刺激され、適度に覚醒状態が保たれ深い眠りに入るのを防ぎます。
深い眠りに入ってから起きてしまうと、睡眠惰性に悩まされます。
リクライニングチェアで寝すぎてしまう、目覚めが悪いならあえて悪い姿勢で仮眠を取りましょう。
仮眠前にカフェインを取っておく
眠気覚ましによく飲まれるコーヒー、飲んでから体にカフェインが吸収されるには時間がかかる。
暖かい飲み物だと吸収が早く30分~1時間でカフェインのピークを迎え
冷たい飲み物ではピークまで1~2時間かかります。
仮眠からスッキリ起きるには、暖かいコーヒーを飲んでからひと眠りしましょう。
カフェインについて詳しくはこちらをご覧ください。
部屋を真っ暗にしない
人が落ち着いて寝れるのは1~30ルクスといわれ、1ルクスが大体月明り位の明るさです。
30ルクスを超えると眠りが浅くなり、50ルクスより上は無意識に布などで目を隠してしまう明るさになります。
仮眠で睡眠慣性がきつい時は、あえて30ルクス程度の光を確保して脳の覚醒度を上げて寝ましょう。
街の少し広い道路で7~15ルクスなので、それよりもう少し明るい位が30ルクスとなります。
起きたら日の光を浴びつつ、体に刺激を与えよう
日の光などの強い光を浴びると、睡眠ホルモンの「メラトニン」が抑制されるほか、脳が活性化して眠気を覚ます効果も持っています。
また体を動かすことで、仮眠中に悪くなった血流をほぐしつつ、交感神経が刺激され脳の覚醒を促されます。
屋外にでて直射日光に当たりながら、体を動かせば一気に眠気は覚めます。
さらに話し相手がいるなら、会話してみるとさらに脳は活性化してくれます。
あとは自分の好きな音楽を聴くことで、体が刺激され気分の高揚と共に眠気もなくなっていきます。
さらに起きた後に自分の好きな音楽を聴けば、気分の高揚と脳への刺激で眠気を軽減できます。
仮眠に最適なグッツ
今まで紹介した仮眠方法を実践するだけでも十分良い仮眠が取れます。
そこに課金アイテムを投入すると・・・さらに仮眠が捗るってわけです。
もちろん仮眠以外の睡眠に使っても、効果は抜群。
アイマスク、耳栓はそれほど高くないので使ったことない人はぜひ使ってみてほしい。
アイマスク
睡眠を気にするなら遮光性を一番に気にしましょう。
あとは締め付けすぎなど、アイマスクを付けたときに顔に違和感なく合うか。
人によっては、蒸れるのを気にして通気性を重視する人もいるでしょう。
私は遮光性を重視したこれを5年前ほどから使い続けています。
使っているアイマスク
ちょっと古いんで、今だと良いの無いかな?と探してみたらあるじゃないですか。
その名もgruria(グルリア)
数種類の天然石を使った遠赤外線作用で、全身の血流を改善。
このアイマスク15分つけると疲れ目軽減、疲労回復、免疫力アップ、ストレス軽減に効果があるそう。
個人差はありますがこの商品は「一般医療機器」血流改善の有意性は実証されています。
今からアイマスク買う人で予算に余裕があるなら、グルリア買った方が良いかもしれません。
耳栓
つけると騒音を一気に減らして、眠りをサポートしてくれるのは間違いありません。
私の場合はアラームが聞こえずらくなって、起きにくい時があり
予定のない日の前日夜にしか、耳栓は使いません。
こういうタイプを使うと、全然起きれないんです・・・
良くある耳栓
とはいえ、疲れているお昼休みにはちょっと仮眠したくなるもの
私が今仮眠時に使っているのはソニーのノイズキャンセリングイヤホンです。
元々音楽用に買ったのですが、ノイズキャンセリングが思ったより優秀で
騒音を軽減しつつ、アラームには気づけるちょうどいい感じで重宝しています。
ノイズキャンセリングイヤホン
アラーム
専用の時計を用意しても良いですが、スマホのアラーム機能で十分起きれます。
周りに人がいて音を流しにくいなら、バイブレーションだけで起きるかイヤホンを付けたまま寝て、イヤホンからの音楽で目を覚ましましょう。
枕 うつぶせ寝用クッション
体に合わない枕を使うと首と肩に大きく負担がかかります。
単純に寝付きにくくなる以外にも、肩こり・首の痛み・頭痛を引き起こしてしまいます。
私は仮眠・就寝時ともに枕使わないで、快眠です。
オフィスでお昼寝する時は、うつ伏せになって腕の上に頭を置いて寝ています。
そのままだと腕と顔が少し痛いので、タオル的な物を敷いて顔に跡が残るのと痛みを抑えています。
シルクのスカーフ(つるつるしてるもの)を敷くと良いです。
周りの同僚を見ると、うつぶせ寝型のクッションを使ってたり、簡易枕使ってたりとみなすきに仮眠しているみたいです。
性別や年齢、体格によって合う枕は変わるので、断言できませんが
大体は、こういう傾向のようです。
運動する人 高い枕
男性 高い枕
女性 低い枕
小柄、子供 低い枕
仰向けではなく、横向きに寝る人は先ほどの傾向より高めの枕が良いです。(首の骨をまっすぐにさせるため)
あとは体と首、肩あたりの隙間を埋める枕を選ぶと、後頭部への負担が減ります。
毛布
学校やオフィスの空調は、自分の都合で調整できません。
エアコン近くの席肌寒さ対策に、毛布やブランケットは最適です。
アイマスクを使うのが恥ずかしい時も、顔までかぶって寝てしまえば、仮眠時の明るさもコントロール可能。
仮眠で使うなら小さ目かつ、ウールなどのふわふわしたものよりは、コットンのような年中使える素材の物が良いでしょう。
アロマ
睡眠に良いアロマといっても、様々な種類・効能があります。
ラベンダーも睡眠に良い効果を持っていますが、同じラベンダーでも抗菌作用の強い物から、リラックス効果が強い物、炎症によく効くものまで、ラベンダーと言っても多くの種類が存在します。
睡眠に良いのは真正ラベンダーと呼ばれるもので、鎮静効果のエステル類と鎮静作用のリナロールが多く含まれています。
仮眠や睡眠を取る30分前に、電気ポットかデフューザーで香りを広げましょう。
アロマセラピーにデメリットはないので、気軽に試してみてください。
明かり
好きな色明るさで寝ても良いですが、睡眠時は黄色っぽい暖色の白熱灯か明るくなりすぎない間接照明での明かりがおすすめです。
実用性に欠けますが、ろうそくの光は体内時計とメラトニンへの影響がもっとも少ないです。
現代の私たちは、かなりの光量を浴びてしまっています。
ろうそく30本ほどの明かりである30ルクス以上は、眠りが浅くなります。
そこで使いたい照明は繊細な光をコントロールできる「Philips Hue Go」
充電式バッテリーが内蔵されていて持ち運び可能。
さらにhue goは「キャンドル」「森林浴」「瞑想」などの照明効果を持っていて
寝る直前に就寝(30分後の消灯に向けて徐々に暗くなる)と起床(30分かけて設定時間までに徐々に明るくなる)が自然な睡眠にとても役立ちます。
起床機能を使うことで、明かりが仮眠後の不快な眠気を軽減してくれます。
他にも読書ライト、机の仮設照明など
常用すると邪魔だけど、仮置きでたまに使うに最適です。
常私はいつもベットに置いておいて、夜読書する時に持ち運んで使うことが多いです。
他にも光をコントロールするなら、遮光カーテンで一度さえぎってしまってから、光量を調整しましょう。
仮眠用ベット
完全に横になってしまうと、眠気によっては本気で寝落ちしちゃいます。
深い眠りに入るには水平なベットが良いのですが、仮眠に眠りすぎは厳禁。
仮眠向けのベットは上半身をリクライニングできるベット、30度程度の角度を付けると睡眠にも入りやすく、寝すぎを防ぐことができます。
マットレスの柔らかさは、体格・体重によって変わります。
ただ仮眠だけ考えるなら、硬い物を選ぶと仮眠から起きやすいです。
豆知識としてベットで本やスマホは触ってはいけません。ベットは「脳が寝る場所」と認識させておかないと、寝つきがわるくなるからです。
最後に
長期記憶を伸ばすには、昼寝も効果的です。
短い仮眠は眠気を覚まし、勉強をし続けるのによく
30分以上の仮眠を取ってしまうと、深い睡眠に入ってしまい寝起きにぼーとしてしまいますが
長期記憶に良いという研究結果が発表されています。
忙しすぎて慢性的な疲労がたまっている時は、勉強して疲れが来たら仮眠でごまかすのでは無く
時間を取って1時間程度昼寝をしてしまいましょう。
睡眠不足は勉強の大敵です。
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