はるか昔、人間がまだ文明を持っていなかった時代。
敵に襲われる脅威にさらされていた人間は、常に周りを警戒する必要がありました。
現代を生きる今となっては、かえって不都合ですが
人間は一つのことに長時間集中できない、つくりになっています。
集中力をうまく保つには、自分に合った方法を工夫する必要があります。
中でも休憩方法はとても重要です。
自分が試して効果があったものを、いくつかご紹介するので、自分に最適な方法をぜひ見つけてください。
休憩が重要な理由とは
人間の脳はとても疲れやすく、勉強に飽きない工夫をしても1時間持てば良いほうで
訓練を積んでやっと2時間程度集中できると、脳科学では言われています。
疲れを解消する以外にも休憩する必要性があって
ストレスを持った状態ではうまく集中力が保てず、思考も停滞し感情も不安定になります。
休憩後か休憩前で裁判官の判決に大きな差が出る、という研究結果も出ています。(Extraneous factors in judicial decisions)
また休憩を挟んだ学習は、長期的な記憶に有効という論文もあります。
根気を詰めて勉強するよりも、ちょっと疲れたタイミングで休憩したほうが
より効率的に勉強を進められます。
集中力を保つのに良い休憩時間
あまり長時間休憩してしまうと、せっかく勢いに乗った集中力は途切れてしまいます。
具体的には20分以上休憩を取ると、集中力が切れ勉強に戻るのに苦労します。
勉強中に取る休憩は短い時間で大丈夫。
「目を閉じて、ぼんやり何もしない」そんな時間を5分~10分取ることで、記憶力を高められます。
ある程度まとまった学習をする際は、小刻みに休憩を取って集中力を保ったまま勉強する。
長時間勉強する際は、気分転換や疲労回復もかねて
昼寝やごはん休憩を取ったり、お風呂に入るなど日常生活をうまく使いながら
勉強をした自分へのご褒美休憩を用意して、勉強のやる気を高めよう。
勉強に効果的な休憩方法
昼寝、仮眠
詰め込みで勉強したグループ、1時間休憩したグループと1時間昼寝したグループを比較すると、昼寝した方が長期記憶に良いという研究が発表されています。(The long-term memory benefits of a daytime nap compared with cramming)
勉強中疲れから眠気を感じるなら、思い切って昼寝してしまいましょう。
ただし昼寝してしまうと、一旦は勉強の集中が途切れてしまします。
そこで併用して活用したいのが仮眠。
仮眠の長さを10分~20分に抑えておけば、目覚めたときの眠気や倦怠感を少なくできる。
さらに仮眠前にコーヒーを飲んでおけば、ちょうど仮眠後にカフェインが効いてくるので、もっとタフに勉強を進められる。
マイブームはカフェインが多く入った抹茶、おいしくて眠気も覚めるしおすすめ。
特に起きてから14時間くらい経つと、脳や体に疲れがたまり、眠たくなる時間帯だ
眠くなる時間を「仮眠」で乗り越えて、夕方の勉強パフォーマンスを上げよう。
良いこと尽くめの「昼寝」や「仮眠」だが落とし穴も
過剰な睡眠は、夜寝るときの睡眠の質を下げ、寝つきも悪くなる。
うまく調整して、自分にぴったりの昼寝と仮眠を見つけましょう。
運動
ニューサウスウェールズ大学の研究結果では、記憶テスト後にステッパーを使った足踏み運動を5分しただけで、記憶力は向上しています。
軽い運動は勉強に効果的ということです。
散歩やジョギングなんかも、気分転換を図りつつちょうどいい運動になるでしょう。
できれば景色の良い公園や自然豊かな場所でのグリーンエクササイズがおすすめです。
エセックス大学の研究によると、自然の中で行う運動は一日たった5分で気分を良くし
ストレスを軽減することが判明しています。
湖や川など、水がある場所は効果がさらに高まります。
軽い運動だけではなく筋トレも効果的です。
勉強中座りっぱなしで流れが悪くなっている血流を解消して、脳を活性化してくれます。
会話、雑談
1940年と大昔から雑談は生産性を高める大きな要因だと言われてきました。(アンリ・ファヨール)
日立中央研究所でも会話を持つことが生産性を高め、出会いの接点によって幸せをつかむ確率も高くなると言われています。
ふとした会話から思わぬ接点がつながり、良いことが起きることは珍しくありません。
米ノースカロライナ州立大学心理学部Sophia Cho氏が報告した研究では(Try ‘Microbreaks’ for a Real Workday Boost)
マイクロブレイクと呼ばれる、昼休みとは別の短い休憩を取ることで
エネルギーレベルの維持と仕事のパフォーマンス向上に効果があることが分かった。
この「マイクロブレイク」は自分で自由なタイミングで取る5分休憩を指し
おやつ休憩やストレッチ、同僚との雑談などの休憩だ。
気分転換やストレス解消は良いことなので、友達と会話できる環境を作って
積極的に取り入れた方が良いでしょう。
音楽を聴く
音楽を聴くことでストレスや緊張、不安を減らせるので休憩にうってつけです。
また勉強中に音楽を聴くことも効果的で
同じ音楽を聴き続けることで、脳の感情処理や集中力が活性化され、集中力が上がり気が散りにくくなります。
(Music and Emotions in the Brain: Familiarity Matters)
自分のやる気が高まり、気が散らない曲やジャンルを探しましょう。
筆者の場合は、声が入っている歌は気が散るので、歌詞の無いインスト曲をよく聞きます。
あまり好きではないジャンルの勉強する際は、ロックなどを聞いて、テンションを上げてノリノリで勉強します。
慣れてくると音楽を掛けるだけで、仕事・勉強モードに入れるので捗りますよ。
勉強で疲れている時には、目を閉じて好きな音楽を聴いて
目と体の疲れを取ってあげましょう。
お菓子、飲み物休憩
体の健康を考えると、お菓子や飲み物休憩はあまりおすすめできません。
ただ好きなものかつ少量取るなら、良い気持ちのリフレッシュにつながるでしょう。
勉強を目標通り行った自分へのご褒美として、やる気を出すにも効果的です。
甘いものを取って、血糖値が急上昇してしまうと、眠くなったりボーとしたり、イライラしやすくなります。
甘い食べ物は中毒性があるので、つい食べ過ぎないようにうまくコントロールしていきましょう。
瞑想、マインドフルネス
短時間ながらも瞑想やマインドフルネスのような、一つのことに深く集中する行為は
緊張や不安状態を解消し、集中力を高め、気持ちをポジティブにします。
本格的なものはとっつきにくいので、簡単にできるもので言うと
10分間目をつぶって、目を休ませるだけ。
たったこれだけでも脳を短時間で回復させられる。
時間がない時は、1分間目を閉じて深呼吸。
呼吸に集中してるうちに、意識はリセットされ気分をスッキリさせてくれるだろう。
目のセルフケアをしよう
長時間勉強に励むと、どうしても目に疲れがでてしまう。
目が悪くなるのはもちろん、目の疲れと連動して肩こりもひどくなりやすい。
目の疲れなんか大したことがない!と軽視するのは危険だ。
一見関係なさそうな不眠、イラつき、頭痛、肩こりは疲れ目と関係している。
机と本を距離を最低30㎝離し、電気スタンドで手元が暗くならない工夫すると目に優しい。
疲れを感じた目の体操で筋肉をほぐしてあげよう。
たった一分で目の疲れを取る方法
1.両手をまぶたの上にのせて、中指でかるーく眼球を押してみる。
2.どちらかの眼球が固いか調べる(固いほうの目が疲れている)
3.疲れている目の眉斜め上に手を置いて、目を閉じて30秒間斜め上に引っ張る
4.先ほどと同じく手を置いて、今度は手を上下に30秒間動かす
気を付けた方が良い休憩
漫画や本
気分転換という意味では、休憩中に漫画や本を読むのは悪くありません。
おすすめしない理由は、勉強中に酷使した目を使う休憩方法だと、休んでいるつもりでも目の休憩が出来ていません。
何か覚えるための読書では、勉強してる内容に飽きたら別の本を読書するのは集中力を保つのに効果的です。
ただ、せっかく休憩するなら目を使わない休憩方法にすると、疲労を軽減しより長く勉強を続けられます。
スマホは触っちゃダメ
スマホは時間を奪う工夫が相当に詰め込まれています。
女子高生は平均でスマホを5.5時間使用しており、これだけでも大部分の時間を奪われています。
女子高生で長い人だと15時間以上使うようで、使うというよりはもう体の一部みたいになってしまってる気がします。
自制心をもって使いこなさないと、無限時間吸い取り機になってしまうスマホ。
漫画や本と同様、目の疲れは取れないので勉強休憩には適していません。
さらにスマホに届く通知や連絡も集中力の敵となります。
意図的に友達と会話する以外は、通知を切って目に見えない場所にしまっておきましょう。
休憩と勉強をセットにしたテクニック3つ
ポモドーロテクニック
ポモロードはイタリア語でトマトを表し、トマト型タイマーを使っていたのでこの名前がついたそう。
やり方は簡単
1セット25分の作業そして5分~7分休憩を入れる
4セットやったら15分~30分休憩を取ります。
やってみると時間が決まってる制限から、目の前で集中してるうちに休憩時間に
休憩時間が良いアクセントになって、疲労感も少なく次の勉強も捗ります。
勉強だけでなく仕事にも、ポモロード・テクニックは有効です。
自分が使いたい時間によっては
・10分の作業時間から3分の休憩
・15分の作業時間から5分の休憩
短く区切っても同じように集中できます。
自分好みの時間を探してみるのも、良いかもしれません。
15分x3(45分)学習
進研ゼミ中学講座のもと行った英単語のテストで実験し、
休憩を挟んだ45分学習の方が、休憩なしの60分学習より優れた結果を残しました。
やはり休憩を挟むと、学びを定着させる効果は期待できそうです。
学習方法は
15分勉強⇒7分30秒休憩⇒15分勉強⇒7分30秒休憩⇒15分勉強
ポモロード・テクニックと似たような感じですね。
50分勉強10分休憩
ポモロード・テクニックはルーチン化した仕事に使うし、スキマ時間に勉強する時は15分勉強法みたいなことをしている。
筆者がまとまった時間勉強する時は、50分勉強して10分休憩がしっくりくる。
50分は学校の勉強時間に近く、10分休憩と合わせてちょうど1時間なので時間の区切りも良い。
1セットごとに勉強教科を変えても良いし、疲れてない午前中に3時間くらい勉強しようと思った時にちょうどいい。
50分でだらけてしまうのを感じたら、勉強時間をもう少し短くして、今まで紹介した方法を試すと良いでしょう。
単純作業ではなく思考が必要な勉強だと、短い勉強時間では物足りない。
50分でもフローに入るとまでは言えないが、訓練すれば高い集中を保つことが出来るので試してみて欲しい。
まとめ
休憩方法は組み合わせてもいいし、気に入った物をひとつだけ使い続けてもいい。
自分に合う休憩法と、勉強時間を見つけ出そう。
上から書いた順に筆者としては、おすすめ休憩法となります。
そもそも勉強する時間が足りない方はこちらをご覧ください。
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